マウンテンバイク(MTB)は、主にオフロード走行を想定して設計された自転車です。
そのため、一般的にはロードバイクに比べて速度が遅いとされています。
しかし、この見解は環境条件やメンテナンスの状況によって変わることがあります。
本記事では、MTBとロードバイクの速度性能を詳細に比較し、MTBが通勤や市内での移動手段としても適しているかどうかを考察します。「MTBは遅いから通勤に向かない」と言われることがありますが、実際には通勤距離・走行環境・カスタム次第で話が変わります。この記事を読めば、自分のケースでMTBを使い続けるべきか、乗り換えを検討すべきかが判断できます。
主なポイント
- 自転車の変速機とギア比の理解が重要
- MTBはオフロード走行を前提とした設計のため、ロードバイクより速度が遅い
- しかし、走行条件やメンテナンスによってはロードバイクと同等の速度が出せる
- タイヤやサスペンションの違いがMTBの速度に影響
- 適切なギア比の選択と効率的なペダリングが速度アップの鍵
- 通勤距離5km以下ならMTBのままで問題なし、10km超からはカスタムまたは乗り換えを検討
自転車の変速機とギア比の基本
自転車の運動性能の鍵となるのが、変速機とギア比です。適切なギア比を選ぶことで、様々な地形や上り坂での効率的な走りが可能になります。ギア比の重要性、計算方法、さらに構造について詳しく見ていきましょう。
変速機の仕組み
変速機には前後に複数のギアがあり、これを使って速度を調整します。前後ギアの組み合わせで、走行時のギア段数が変わり、様々な速度に対応できます。代表的な自転車では、21から36段までのギアが用意されています。なお近年のMTBでは、フロントシングル(前1枚)×リア12速という構成が主流になりつつあり、変速操作をシンプルにしながら幅広いギア比をカバーする設計が増えています。
ギア比の計算方法
ギア比を計算するには、前ギアの歯数を後ろギアの歯数で割れば良いです。この数値が大きいほど、重いギアで漕ぐことになります。例を挙げると、前ギア52、後ろギア11だと、52 ÷ 11 = 4.73となります。逆に、同じ歯数の場合は、1.0になります。
変速段数とギア構成の関係
変速の段数は、前と後ろのギアの数の積で決まります。主流の自転車には、前3枚と後ろ7~12枚の歯数のギアがついており、21から36段のギアを選択できます。この多様な構成で、あらゆる条件に最適なギア比を見つけられます。
マウンテンバイクの速度は遅いのか

マウンテンバイク(MTB)がロードバイクより速度が遅いことは周知の事実であり、背景にはMTBのタイヤの設計が関係しています。MTBのタイヤは通常、幅が広く、その表面にはブロック状のパターンが施されています。この設計により、転がり抵抗が増大し、高速度での移動には支障をきたすという性質が備わっています。転がり抵抗の指標(転がり抵抗係数 Crr)で比較すると、オフロードMTBタイヤは約0.012〜0.020、スリックタイヤは約0.006〜0.008と、タイヤの種類だけで2倍前後の差が生じることがあります。
しかし、MTBが達成できる最大速度にはクロスバイクのような高速度も含まれ、速度だけを睨んだ単純な批評は正確でないことがあります。実際、MTBの利点として「グリップ力の高さ」とそれが生む「安定感」があり、これは市域内の走行面で有利に働きます。加えて、「様々な地形を走破できる能力」と「優れた快適性」も挙げられ、このようなメリットがMTBの魅力を高めています。
MTBは本来、未舗装の地形向けに開発されたバイクでありながら、それを逸脱して通勤や日常のスポーツとして利用されています。このような活用法は、短距離の移動を好むユーザーや、舗装路に限らず広範囲に走行したいニーズを持つユーザーに、MTBが推奨されている理由の一つです。街中ではさまざまな障害が存在し、MTBの太いタイヤはこれを乗り越える助けとなります。
弊社では、MERIDA、GT、KHSなどの一流ブランドのMTBを幅広く取り扱っています。通勤や街中での一般的な使用シーンに適したMTBモデルを提供しておりますので、お気軽に一度ご検討ください。
| タイプ | 平均時速 |
|---|---|
| ロードバイク | 20〜30km/h |
| クロスバイク | 18〜25km/h |
| マウンテンバイク | 18〜25km/h |
| シティサイクル | 12〜20km/h |
| 電動アシスト自転車 | 最高24km/h |
上表の通り、MTBの平均速度は18〜25km/hであり、他の種類とあまり違いがないにもかかわらず、その利点は多岐に渡ります。このことから、MTBは通勤や日常の使用にも適しているのです。
ただし、上記の平均速度はあくまで「出せる速度の目安」です。実際の通勤では信号待ちや交差点通過が発生するため、重要なのは最高速度ではなく「通勤にかかる実時間」で比較することです。次の節でその実時間シミュレーションをまとめています。
⏱ 通勤距離別・車種別の所要時間シミュレーション(平地・信号あり条件)
| 通勤距離 | MTB(オフロードタイヤ) | MTB(スリックタイヤ) | クロスバイク | ロードバイク |
|---|---|---|---|---|
| 5km | 約15〜18分 | 約13〜16分 | 約12〜14分 | 約10〜13分 |
| 10km | 約30〜38分 | 約26〜32分 | 約24〜28分 | 約20〜24分 |
| 15km | 約45〜55分 | 約38〜46分 | 約34〜40分 | 約29〜34分 |
| 20km | 約60〜75分 | 約50〜62分 | 約46〜55分 | 約38〜46分 |
※平地・一般的な公道・信号含む条件での推定値。ライダーの体力・風向き・荷物量によって変動します。
このシミュレーションから、10km以内の通勤であればMTBとロードの差は最大でも10〜15分程度です。信号の多い都市部ではストップ&ゴーが頻発するため、実際の差はさらに縮まります。一方、20kmを超える長距離通勤では、毎日の時間コストとして無視できない差になります。
オフロードとオンロードの違い

クロスバイクとマウンテンバイクは、デザイン上異なった環境を想定しています。前者は主に舗装路で動くことを考えられており、後者は未舗装路や難しい地形において力を発揮します。
タイヤの違い
タイヤの形状は両者の違いの象徴となっています。クロスバイクが用いる細いタイヤは、高速での快適さをもたらします。逆に、マウンテンバイクの太いタイヤは、悪路を快走します。
舗装路でのMTBタイヤの転がり抵抗は、ロードタイヤと比べて大きいことが速度低下の主因です。ただし、スリックタイヤ(溝のないオンロード向けタイヤ)に換装することで平均速度を2〜4km/h程度改善できるため、MTBを手放さずに通勤性能を高めたい場合の有効な選択肢となります。費用はタイヤ2本で4,000〜8,000円前後が目安です。
サスペンションの影響
これに加え、マウンテンバイクはより良い乗り心地を目指し、サスペンションを搭載しています。そのため、悪路でも快適に進むことができますが、バイクの重量は増してしまいます。
舗装路でサスペンションを「ロックアウト(固定)」せずに走ると、ペダリングの力が吸収されて効率がさらに低下します。フロントサスペンション搭載のMTBで舗装路を走る際は、ロックアウト機能を使う習慣をつけると速度維持に有効です。また、フルサスペンション(前後サス)のMTBは車重が13〜16kgに達するものも多く、軽量なロードバイク(7〜10kg)と比べると登り坂での負担差は体感しやすいレベルです。
ロードバイクとMTBの速度比較

ロードバイクとマウンテンバイク(MTB)は、それぞれ異なる走行特性を有します。両者の速度差を分析することで、その違いを理解できます。平地、登り坂、下り坂における速度の変化を探求しましょう。
平地での速度差
ロードバイクは、平均して20〜30km/hという速度を維持します。競技レベルでは40km/h以上にも達する場合があります。対照的に、MTBはより振動の多い環境に向けて設計されており、速度は18〜25km/hとなります。
ただし、信号が多い都市部の通勤ルートでは、ロードバイクの優位性は大幅に縮まります。ストップ&ゴーが頻繁な環境では、バイクの最高速度よりも発進・加速のしやすさが重要です。MTBは重いものの、低ギアでの発進は扱いやすく、短い直線区間での再加速は体感的に大きな差を感じないケースも多いです。
登り坂での速度差
登り坂での速度面では、ロードバイクが優位に立ちます。その軽さと効率的な力の伝達により、MTBよりも速く登ることが可能です。MTBはそのサスペンションや耐久性に重点をおいており、速度の維持力が弱いです。
特に坂道が多いルートで毎日通勤する場合、車重の差(MTB約12〜15kg vs ロード約7〜10kg)は積み重なる疲労の差として実感されやすい点に注意が必要です。
下り坂での速度差
一方、下り坂にさしかかると、MTBが優位に立つことが多いです。MTBはサスペンションなどの装備によってより高速で安定した下りが可能です。ロードバイクは軽快な操作性が特徴ですが、非常に高速となると危険が伴います。
結局のところ、路面の特性によって速度差は様々です。自転車を選ぶ際は、目的に応じた適切な選択をすることが重要です。これにより、より快適で効率的な走行が可能となります。
MTBの走行性能を左右する要因

マウンテンバイク(MTB)は主にオフロード用に設計されており、その性能に影響を与える諸条件が複数存在します。たとえば、ギア比、タイヤ空気圧、そしてライディングフォームが、MTBの走行性や操縦性を顕著に変える重要な要素となります。
ギア比のレンジ
登坂や高速道路など、さまざまな条件に対応するため、MTBは多様なギア比を備えています。これにより、速度や力強さを調整し、操縦の多様性と効率を向上させます。加えて、適切なギア選択は、走行をより素早く、そして効果的にするのに助けとなります。
タイヤの空気圧
オフロード用MTBはノーパンクのタイヤが搭載されていますが、タイヤの空気圧設定も重要です。路面状況に合わせて調整を行うことで、グリップ力の最大化や転がり抵抗の削減が期待できます。特に高速域において、空気圧を管理することが走行性能の向上につながります。
舗装路で通勤する場合は、タイヤの空気圧を推奨最大値近く(一般的に30〜40psi前後)に高めに設定することで、転がり抵抗を抑えて速度を維持しやすくなります。空気圧が低すぎると接地面積が増え、抵抗が大きくなって疲労も増します。乗るたびに確認する習慣をつけましょう。
ライディングフォーム
MTBのライディングでは、路面や地形に合わせたフォームの維持が欠かせません。このため、サドルの配置や体重配分、そしてペダリング技術の最適化が重要です。
MTBは一般的にアップライト(直立)なポジションのため、空気抵抗がロードバイクよりも大きくなりがちです。サドルをやや高めに設定し、前傾姿勢を意識するだけでも空気抵抗の軽減につながります。乗り手のフィジカル次第では、同じMTBでもロードバイク並みの速度を出すことも十分可能です。
MTBの速度アップのコツ

マウンテンバイク(MTB)を速くするには、ギアの使い方やメンテナンスが鍵を握ります。これらを注意深く取り組むことで、快適な走りと速度向上がもたらされます。
効率的なペダリング
ペダリング効率向上はMTB速度アップの基盤です。SPDペダルを導入すると、ペダルが固定され、坂道でも力強く漕ぐことができます。これにより、ケイデンスが上がり、パワーが効率よく伝わるのです。
適切なギア使用
MTBは3×5〜7段変速の装備が一般的です。適したギアを選ぶと、地形に応じて効率よく進むことが可能になります。例えば、高速で漕ぐ時には大チェーンリングと小スプロケットを使うと、力強さが増します。
メンテナンスの重要性
メンテナンスは速度向上に不可欠です。変速機や自転車全体の調子を整えると、スムーズに走れるようになり、速度も安定します。定期的なチェックと手入れは、MTBを最高の状態に保つために必要です。
💡 スリックタイヤ換装:MTB通勤を劇的に改善するコスパ最強の方法
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 速度向上の目安 | 平均+2〜4km/h(約10〜20%改善) |
| 費用目安 | タイヤ2本で4,000〜8,000円前後 |
| 推奨タイヤ幅 | 最低28C以上(細くしすぎると乗り心地が悪化) |
| 注意点 | MTBのリム幅によっては適合しないタイヤもあるため購入前に確認を |
| 向いている人 | MTBを手放したくないが通勤でも使いたい人 |
⚠️ サスペンションをロックアウトしないままにすると舗装路での効率がさらに落ちます。換装と合わせてロックアウトも活用しましょう。

自転車の用途に合わせた選択

自転車選びは、目的や環境に応じた最適なタイプを見つけることが重要です。各自転車の特性を把握し、最適なものを選ぶと、快適で効率的な走行が可能です。そのため、自転車の用途を明確にしましょう。例えば、スポーツ走行、フィットネス、通勤や街乗りのためそれぞれどの自転車が最適かを見極めることが大切です。
スポーツ走行用
スポーツ目的なら、ロードバイクが最適です。ロードバイクには、速度と快適性のバランスが特長です。平均時速20〜30km、場合によっては40km以上も可能です。この自転車は、軽量かつ低重心で高い加速力と機敏性を誇ります。そのため、サイクリングや本格的なスポーツ走行に最適です。
フィットネス走行用
フィットネスや気軽なサイクリング目的なら、クロスバイクがおすすめです。クロスバイクは平均時速18〜25kmで、安定した走行が期待できます。街乗りにも便利で、通勤などの利用にもぴったりです。
まとめ
マウンテンバイクとロードバイクの速度差は、平均時速で5〜10km程度あり、舗装路ではロードバイクが有利です。しかし、MTBは太いタイヤによる安定性や悪路への対応力があり、段差の多い通勤路や雨天時には安心感があります。通勤距離が10km以内であれば、MTBでも十分実用的な選択肢となります。自分の通勤ルートの路面状況や走行距離を考慮して、最適な一台を選びましょう。
よくある質問
Q. マウンテンバイクとロードバイクの平均時速はどれくらい違いますか?
舗装路での平均時速は、ロードバイクが25〜30km程度、マウンテンバイクが20〜25km程度です。タイヤの太さや車体重量の違いにより、MTBはロードバイクより5〜10km程度遅くなる傾向があります。
Q. マウンテンバイクで自転車通勤するメリットはありますか?
MTBは太いタイヤと頑丈なフレームにより、段差や砂利道、濡れた路面でも安定して走行できます。パンクしにくく、振動吸収性も高いため、路面状況が悪い通勤ルートや天候が変わりやすい地域では大きなメリットがあります。
Q. MTBを速くするカスタマイズ方法はありますか?
スリックタイヤやセミスリックタイヤへの交換が最も効果的で、舗装路での転がり抵抗を大幅に減らせます。また、サスペンションをロックアウトしたり、軽量パーツに交換することでも速度向上が期待できます。


